全日本チェンソーアート協会

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海外遠征日記

リッジウェイ ランデヴューズ体験記2006

2013.12.10更新


リッジウェイ チェンソー カーバーズ ランデヴー 2006年はアメリカをはじめカナダ、イギリス、アイルランド、ドイツ、オーストラリア、 そして日本からカーバーが集まった。 申し込みは186名で日本から4名が参加した。

昭男と私は2月21日15時に成田を出発した。 ノースウエスト航空でミネアポリスを経由し、ピッツバーグに到着したのは同日16時20分だった。 ミネアポリス経由は乗り継ぎ時に荷物を預けなおすのだがピッツバーグに到着してみると昭男のバッグだけが無かった。 ノースウエストのカウンターで宿泊場所を伝えホテルに向かった。バッグは幸いその夜ホテルに届いた。

永原氏は21時過ぎに到着し無事に会うことが出来た。 翌日リッジウェイに行く車は18時時半に空港を出発する。 ピッツバーグで丸1日時間があったのでダウンタウンに行く事にした。 ゲートウェイセンターでバスを降りダウンタウンを歩いた。 街はピッツバーグ・スティラーズがNFLスーパーボウルで26年ぶりに優勝したからか、一昨年より活気がある様に感じた。

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モノガンヒラ川を渡りステーション・スクウェアーからケーブルカーでマウントワシントン地区に上がった。 展望台に立ち青空をバックにして透き通るように見えるダウンタウンを眺めた。ここが鉄鋼産業の町で一昔前に「煙の町」と呼ばれていたとは想像もつかない。 薄暗くなった空港にスーザンさんがミニバンで迎えに来た。客は朝空港で会ったナイル氏と私達の4人だけだった。 夜道を3時間以上走るのは心配だったが雪は殆んど無く道路の凍結もあまりなかったので安心した。

私達の宿泊場所はテッド神父の教会だ。 神父は昨年入院した三宅君を病院まで迎えに行ってくれたので面識があった。同じ教会にイングランドのジェフリー氏が宿泊していた。ジェフリー氏は昨年帰りのホテルが一緒で、その時イングランド チェンソーカービング コンペに出場しないかと私を誘ってくれた。 そして大会に出場した私を3時間かけて空港まで迎えに来てくれた。

そんなジェフリー氏と共にテッド神父の教会に滞在でき本当に良かった。教会の部屋は一人一部屋でゆったりとくつろげる。荷物を運び終えると22時を過ぎていたが、私達は神父と共にリッジウェイグリルに行った。 店の中はカーバーでいっぱいだった。奥に入るとBあやさんがいた。 彼女は私達より1週間ほど前から来ているので店では顔馴染みのようだ。百合子さんもやって来た。皆と再会を喜び合っていると夜は短かった。


木曜日の早朝リズさんが迎えに来てくれ、車で10分程の所にある御主人のスタジオに向かう。スタジオはカービングスペースにオフィス、それに陶芸が行えるスペースもある。

別棟にはリック氏と娘のゾーイさんの作品がたくさん展示してある。

午前中スタジオでスティーブ バッカス氏とアンジーさんの講義が2時間程行われその後カービング会場に向かう。 多くのカーバーはすでに大分彫り進めていた。 私はチェンソーを組み立てた。チェンソーはリック氏に注文しておいたハスク575と346、 それに日本から百合子さんに送っておいたタナカ3800の3台だ。 組み立て終わると丸太の置かれている場所に行きブレッド氏に燃料を分けてもらい材の選定に取り掛かる。

長さ6m程の丸太は殆んど直径50cm前後だ。直径1m程の材が2本あったがそれは芯が腐っていた。 元の直径が60cm以上ありそうな材を見つけた。丸太の表面には石と土がたくさん付着しているから残っていたようだ。 皮剥き様に日本からチェンソーと共に送ったアックスを使い、カットする近辺の周りの皮を剥く。 力の無い私が分厚くて凍った皮を剥くにはアックスが一番よい。

2m程に切った丸太をボブキャットでカービング場所に運び、丸太のままでは到底動かせないのでしっかりと立ててもらう。 余分に運んだ丸太で高所作業台を作り、アウトラインカットを夕方までに終えた。

翌日の夕方までに参加者の半分近くは作品を完成させた。 オークションは土曜日の昼から始まるので、作品はそれまでに仕上げれば良いのだが、私も金曜日のうちに完成させた。 作品は鷲と2羽のウサギを彫った。 アウトラインをカットし丸太の重量を減らし動かせる状態にして、羽の模様は倒した状態で彫り上げた。

ブライアン氏からハンディータイプのバーナーを借りて焼いたが、凍った生木ではなかなか焦げ目が付かない。 デニス氏が強力なガスバーナーを持っていたのでそれを借りて何とか焼く事が出来た。 土曜日の天気はあまり好くない予報だったのだが、それに反して快晴となった。 私は10時からカービングデモを披露した。メモリアルゲートの前で行ったので、とても緊張したが何とか40分で梟を彫り上げた。

昼近くになると163作品が40フィートトレーラ2台のステージ上に前後2列、その手前下に2列とぎっしり並んだ。 大きなものは直径1m以上の丸太を使い躍動感のある動物を彫り上げている。 かなり繊細な作品や、着色の素晴しいものもあった。オークションは多くの観客が見守る中で始まった。

私の作品は上段後列に置かれ2時ころに競られた。600ドル位から競り始められ、1025ドルで御夫婦が競り落としてくれた。 今年も昨年を上回る価格で落札してもらう事が出来た。落札された作品は次々とボブキャットで降ろされ、 落札者は作者と共に写真を撮っている。夕方になると風が強くなり刺す様な寒さになったが、 今年は明るいうちにオークションを終了する事ができた。

夜はエィリオズでディナーだった。 百合子さんと、リカさん、シャリーさんとフィアンセのボブ氏、それにジャック氏と共にテーブルを囲んだ。 百合子さんの御主人と義姉御夫婦もやって来た。ディナーが終わるとカーバーはリッジウェイグリルに行った。 私達も共に最後の夜を楽しんだ。

翌日は9時からファイアーホールで朝食だった。リズさんから高額落札者が発表された。1位はケン シーン氏の2370ドル、2位はラリー バーン氏の1075ドル。私は3位でハスク336を賞品として頂く事が出来た。 私の隣にキングコングを彫ったケン トイネン氏が座っていた。 彼のコングは私の作品に50ドル及ばず4位だったが、その仕上がりの素晴しさと大きさは1位の作品に引けをとらないものだと思う。 彼の作品は昨年の雑誌の表紙にも記載された。 私はそれが誰の作品か知らなかったが彼だと聞いて感激をした。それは素晴しい仕上がりのインデアンだ。


翌朝8時にリッジウェイを大型バスで出発した。アメリカ、英国、ドイツのカーバー達が一緒だった。 リック氏、リズさん、ゾーイさん、何人かのカーバー達が見送りに来た。 百合子さんとアキラ君も見送りに来てくれた。走り出したバスに皆はいつまでも手を振ってくれている。

今年もまたナチコさんは今年も美味しいマフィンを焼いて持って来てくれ、ジュディーさんや二コールも再会を喜んでくれた。 百合子さんの家で息子のアキラ君と竹とんぼを作ったのも良き思い出になった。 リッジウェイに2006年もまたたくさんの思い出が出来た。

今年もたくさんの人に助けられ、私のリッジウェイランデブゥ2006は幕を閉じた。 お世話になった皆さん、本当にありがとう。

(記事:栗田 宏武)


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