全日本チェンソーアート協会

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海外遠征日記

リッジウェイ ランデヴューズ体験記2004

2013.12.10更新


2004年2月24日リッジウェイ チェーンソー カーバーズ ランデヴーに向けて出発する。私のトランクにはバーをはずしビニール袋で密閉されたチェーンソーが2台入れてある。その時この2台のチェーンソーがランデヴーにおいて大きく影響する事になるとは思ってもいなかった。

チェーンソーはガソリンの臭いがすると持ち込む事が出来ないと聞いていたのでかなり入念に洗浄した。そして丸1日キャップを開けて乾かしたが成田でチェックインする時はとても心配だった。

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係官にトランクを開けてチェックされる時に、カービングのアルバムを取り出し、昨年のリッジウェイの写真を見せ、理解を求めるとOKの許可が出た。良かった。駄目だったら成田に置いて帰りに引き取れば良いと思って臨んだがOKがでた時は本当にうれしかった。

2台のチェーンソーはシンダイワ1027とシングウ3801である。 国産の小型チェーンソーは細部のカービングには最適である。 まして今回は娘もカービングに参加する。娘はまだ柔らかな杉でしかカービングをしたことが無い。リッジウェイでは今までに使った事の無い太さのパイン材となるので慣れたチェーンソーを使わせたかった。

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幸先のよさに浮かれていたがピッツバーグに着きホテルでトランクを開けてみると2台のチェーンソーは入っていなかった。デトロイト空港の入国チェックの時に没収されたのだ。 成田でOKだっただけにショックは大きく眠れない一夜を過ごした。

2台は没収されたが今回のランデヴー用にハスク372と350の2台をブライアン氏に手配してあった。

372は昨年太田くんから借りてとても気に入ったので絶対購入しようと思った機種だ。350はUSAにおいてデコンプ付き最小機種なので娘用にと決めた。しかし娘は25APチェーン付きハードノーズバー仕様346を1度使ったきりなので、まだ使った事の無い350だけではカービングしきれないだろう。

昨年ランデヴーに参加した小野沢さんが、ブライアン氏に預けてある、スチール180カービングソーを借りる事が出来るのが唯一の救いだ。こうなったら3台でやるしか無いと娘に言い覚悟を決めた。

2日目

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25日朝8時手配されたバスに乗り込みリッジウェイに向う。 およそ3時間の道のりは、ずっと雑木林が続き、さほど変化も無いがアメリカの雄大さを感じさせてくれる。午前11時頃リッジウェイに到着すると城所夫妻がファイアーホール前で待っていてくれた。

道の斜め向かいの会場からはすでにチェーンソーの音が鳴り響いている。会場入り口に立っていたレイさんはすっかりアメリカのカーバーになりきっていた。1年前のランデブーがついこの間の様に思えた。

私たちはバスに乗車したまま城所氏に案内されて宿泊場所のキャビンへと向った。会場から10分ほどの所にあるキャビンに着くとランデヴーの主催者であるリズさんがやってきて早々に没収されたチェーンソーの話になった。 その場でリズさんはデトロイト国際空港へ電話をしてチェーンソーの必要性を訴えてくれた。そしてこの話はブライアンの奥様のジェーンさんにも伝わり、やはりデトロイト国際空港へ抗議の電話がされたようだ。

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デトロイト国際空港税関では審査を通過した後、運輸保安局の検査官によりガソリンの臭いがあるチェーンソーを危険物と判断し没収したようだ。 その後もリッジウェイ・チェーンソー・ランデヴー運営委員会は何度も問い合わせてくれたが保安局ではチェーンソーの保管されている場所は不明であり、すでに廃棄処分されている可能性すらあるという。

夕方ファイアーホールでの夕食の時にリズさんからジュディー・スティンガーさんを紹介される。通訳のボランティアをして頂いている、リッジウェイ在住の百合子さんに事の成り行きを全て伝えてもらう。 私は自分の引き起こしたことがランデヴー運営委員会に大きく負担をかけていることに混迷し夕食もあまり喉を通らなかった。

3日目

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翌日26日朝8時半にキャビンを出発しぺニシーレストランで美味しいホットケーキの朝食をとることにした。レストラン内はカーバー達でいっぱいだった。地元の人たちも来ているので満席状態で食事を終えたのは10時近くだった。

昨日の午後カービング用のログをセレクトして配置し、皆でポールを立てネットを張りブース作りをした。会場に立ち並ぶ太いログ、空は真っ青で、チェーンソーの件が無かったら最高の気分なのだが。

昨年、リッジゥエイでキャビンから会場へ向かう途中白頭鷲の舞い上がる姿を見て感激した。だから今年は直径60cmで長さ2m程の材に白頭鷲を作ることに決めている ハスク372を始動する。爽快だ。まず作業台を作りあげる。

50cmほどの高さの丸太だが太い生木のパイン材はかなり重く移動しにくいので椅子風に加工した。 いよいよ白頭鷲のカービングに入ろうとした時百合子さんがやってきて、航空チケットとトランクにつけたタグをデトロイト運輸保安局にFAXしなければいけないという。 百合子さんとキャビンに戻りトランクについているタグをとり急いでリズさんとジェーンさんの待つファイアーホールへと向かった。

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この2日間リッジウェイ・チェーンソー・ランデヴーの助力者として参加しているジュディーさんは必死の抗議をかけ続けてくれた。 運輸保安局、航空会社、デトロイト国際空港へ連日電話し没収されたチェーンソーを見つけ出し、返還されるべき必要性を切々と説いてくれた。

そして26日の午後遅く運輸保安局から私のチェーンソーが見つかったと知らせの電話がジュディーさんに入った。 管理官の女性は娘が不治の疾患者であり、過去にメイク・ア・ウィッシュ財団の恩恵に授かった事、また自ら空港内をチェーンソーの捜索にあたり探し当てた事をジュディーさんに伝えた。

ジュディーさんは航空会社と運輸保安局の相互協力を得て、配達予定、運賃前払いの手配を整えてくれた。チェーンソーは梱包、荷札付けされ、フェデラル・エクスプレスにより一晩のうちにピッツバーグ空港まで空輸され、港内VIP専用地で更なる協力者により受け取られリッジウェイへ向う事になる。(リズ&リック・ボニーさんのHPより引用させて頂く)

4日目

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27日の午後私のもとへ2台のチェーンソーが戻ってきた。 奇跡の生還を遂げたチェーンソーで、白頭鷲の仕上げをおこなった。 私に今出来る事はメイク・ア・ウィッシュ財団と地元YMCA基金援助のオークション作品を全ての力を注ぎ彫ることなのだ。

作品は、チェーンソーの入っている箱を想定して、 下前に「リッジウェイ2004」と書き、後ろに「栗田」と書き左右にロープをかけ、それを白頭鷲が運んでくると言うものだ。今までで最高の白頭鷲に仕上げた。

後から聞いた話だが主催者のリズさんがランデヴー前に不思議な夢を見られたそうだ。 なんと白頭鷲の姿をかりた賢者が出てきて「遂行せよ!全てはうまくいくだろう。」と言われた。その時リズさんはランデヴー前のプレシャーから弱気になっていたようだが朝起きて「天からサポートされている。」と満々たる実感を得たそうだ。

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リズさんの夢と私の白頭鷲の作品、 それはたんなる偶然の出来事かもしれない. しかし私には 昨年白頭鷲が舞い上がる姿を見たときから、この運命が結ばれていたような気がする。

その後チャリティー オークションではジュディーさんが私の「チェーンソーを運ぶ白頭鷲」を落札してくれた。

最高の喜びである。

ジュディーさん、ありがとう! リズさん、ジェーンさん、運営委員会の皆様、ありがとう! そして航空会社や運輸保安局の方々にもご理解を頂き感謝したい!

(記事:栗田 宏武)


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