全日本チェンソーアート協会

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海外遠征日記

リッジウェイ ランデヴューズ体験記2005

2013.12.10更新


2005年リッジウェイ・ランデヴーは2月24日から27日まで行われた。 日本から7名のカーバーが参加した。 22日、私と娘は成田からデトロイト経由でピッツバーグに行った。

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三重の松田さん、東栄の内藤さん、岐阜の太田さんの3人は名古屋からデトロイトを経由してフィラデルフィアからトラックでリッジウェイに向かう。 中津江村の永瀬さんと三宅君は成田、ダラスと経由してピッツバーグのホテルで私たち親子と合流する。 ホテルには英国やワシントン州のカーバー、それにオーストラリアのカメラマンも宿泊していた。

23日朝8時に主催者がチャーターしたバスに全員乗車して出発する。バスは超満員で、リッジウェイまでの4時間はとてもにぎやかだった。 リッジウェイの町から10分ほど手前にあるホテルで全員下車し、主催者のリック&リズ夫妻の出迎えを受ける。 日本人以外はこのモーテルが宿泊場所のようだ。

私達はここで二組に分かれた。 永瀬さんと三宅君は町のプチホテルに向かい、私と娘はホームステイをするシャーリーさんの家へと向かった。シャーリーさんは仕事で留守だったが荷物を部屋に運び込み、着替えをしてから歩いて会場へ行く。

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会場ではチェンソーの音が鳴り響いている。永瀬さんらはすでに会場へ到着していた。 昨年はブースのネット張りから始めたが今年はすっかり準備されていた。気になるのは材料の丸太だ。太い丸太にはサインがしてある。もう所有者が決まっているのだ。

残っているのは太いもので直径が50cm程度のものだった。 極力太くて節や割れのない丸太を探した。私は昨年ナイアガラコンペで一緒だったブレッド氏にチェンソーを借りて皆が選んだ丸太を2m弱に切った。重い丸太はボブキャットで運んで立ててもらいカービングの準備は完了だ。

4時にシャーリーさんが仕事から帰宅するので挨拶のために娘と二人で家に戻った。シャーリーさんとお嬢さんのニコルが出迎えてくれた。シャーリーさんは小柄で陽気な方だった。ニコルは7歳でとっても可愛く、娘とすぐに仲良くなった。 シャーリーさんが部屋を一通り案内してくれ、全て我が家と思って使うようにと、食器の入れてある場所から冷蔵庫の食べ物まで教えてくれた。

この日の夜はファイアーホールでウェルカムパーティーが行われ、シャーリーさんは友達のメアリーさんと共に出席した。パーティーが終了する時間になって松田さんら3人は到着しない。 永瀬さんと三宅君は松田さんらと同じホテルに宿泊する予定だが彼等が来ないので、シャーリーさんが心配して「私の家に泊まるように」と言ってくれた。私達は4人で御世話になる事にした。

2日目

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24日は朝食を食べて早めに会場へ向かう。雪の積もった緩やかな下り坂を10分ほど歩くと会場に着く。 ブライアン氏がトレーラーを引いてやって来た。少し遅れて玲さんら3人もやって来た。 昨日はフィラデルフィアでトラックの修理に時間がかかり、かなり遅くホテルに到着したようだ。 トラックから荷物を降ろしてチェンソーを組み立てる。ハスク372のスターターロープを引くと快音が轟いた。

私は「泳いでいる2匹の鮭を狙う白頭鷲」を彫ることにした。 丸太の表面に付着している砂や、めり込んだ石に刃が当たりすぐに切れなくなり午前中は目立てに半分費やした。 午後はデニス・ビーチ氏のカービングデモを見学した。 大型チェンソーを両手に持ってカットする姿は迫力満点で飛んでいる鷲を40分足らずで仕上げた。 この日の夕食会はムースで行われシャーリーさんの弟のジャック氏と昨年お世話になったジュディーさんも出席された。

3日目

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25日は夕方エルク・コート前広場で平和の祈りが行われる。 そこに毎年マスター・オブ・チェンソーのメンバーでもあるウェイン氏が中心となって会場を氷の彫刻で飾る。 アイスカービングは誰でも自由に参加をする事が出来のだが、私達はウッドカービングに専念した。

そして皆夕方までに6個のメインカービングは仕上がった。 しかし三宅君がきれいに皮を剥いた丸太はそのままの状態で残っている。 彼は昨日から熱を出してシャーリーさんの家でずっと寝ていたのだ私達は三宅君が明日カービング出来る事を願った。 夕食会はエイローズカフェで行われ、ジュディーさんもみえた。

ジュディーさんは私にカーハートのジャンバーをプレゼントしてくれた。 カーバーたちがボロボロになるまで着ているワークウェアーで私はとても気に入った。 私の右隣に座ったのはツリー・パイレーツのサイモン・クロス氏だった。仲間のA.D氏を呼んで写真を見せてくれた。

彼らは英国のカーバーで今回素晴しいメモリアル・モニュメントを製作した。 モニュメントは方位を考慮したもので柱の下に青龍、朱雀、白虎、玄武の4文字を翌日私達に刻ませてくれた。

4日目

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26日は朝から快晴だった。 午後はオークションが行われるので、仕上がった作品は朝からは次々とステージに運ばれる。 三宅君の熱は下がったが無理をせずにオークションの見学だけすることにした。 残された丸太は切り分けて皆で幾つかの作品を仕上げた。私はオークションが始まるまでに小鳥と馬を彫り上げた。 昼近くになってリッジウェイ在住の百合子さんがやって来た。

彼女は毎回ボランティアで通訳を務めてくれているが今年はご家族の事情でなかなか来る事が出来なかった。 電話では毎日話していたが、会うことが出来て本当によかった。ナチコさんも昼近くにやって来た。 彼女もリッジウェイに在住していて、毎回おいしいケーキを焼いて持ってきてくれる。

220個近くのオークションは昼すぎに始まり夕方まで行われた。 朋奈のクマは420ドルで落札された。私の鷲は970ドルだった。私たちは2人とも昨年よりアップしたのでとても喜んだ。

最後の夕食会は昨晩と同じエイローズで行われ、メイク・ア・ウィッシュによって夢を叶えた少年がスピーチをした。 その後バンド演奏やダンスが行われた。

5日目

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翌朝は8時30分からファイアーホールで朝食だ。 この日の朝はとても寒く、迎えに来てくれた百合子さんの車は室外温度がマイナス18度をさしていたそうだ。 シャーリーさんとニコルは礼拝に行かなければならないのだが、私たちをファイアーホールまで送ってくれた。

涙を浮かべた二人との別れはとても辛かった。シャーリーさん、ニコル、掛替えのない5日間を過ごさせてくれて有難う。 リックさん、リズさん、そしてゾーイさんお世話になりました。ブライアンさん、ジェーンさんいろいろと道具を貸して頂き本当に助かりました。

ザックは昨年10月のナイアガラコンペの時から思うとずっーと大きくなって、カービングも頑張っていた。 百合子さん、ご家族が大変な時なのにいろいろ御世話になりました。なちこさん、美味しいケーキを有難う。 松田さんら3人はトラックでフィラデルフィアへ戻り、私たち4人は英国のカーバー達と共にバスでピッツバーグへ戻った。

こうして2005年のリッジウェイ・ランデヴーは終了した。

(記事:栗田 宏武)


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